「結婚しなかったが後悔していない人生」を実現するには
結婚する道を選ばなかった。
そのことをある程度の年齢になって後悔している――
その後悔を乗り越える考え方を見ていきましょう。
後悔を認める
まずは自分が後悔していることを素直に認める。
それが後悔の影響を最小化する、後悔との向き合い方です。
その反対に無理やり「後悔していない」と思い込もうとするのはもっとも後悔を大きくする方法です。
後悔から解放されるための第一歩は後悔を認めること。
後悔していながら、その後悔を認めたくないのが普通の心理です。しかし後悔を乗り越えるということは後悔を自分のなかで消化できたということ。後悔していると認められればもう半分は乗り越えているのです。
もう一人の自分の後悔に気づく
結婚する人生、しない人生、どちらを選んでも後悔は残ります。
結婚しなかった自分の後悔を認められたら、次に「結婚したほうの自分」の後悔にも気づき、認めてあげましょう。
結婚していた場合の自分の人生を考えてみれば、まったく何も後悔がないはずはありません。結婚していた場合の、もう一人の自分の後悔も、自分の後悔として認めましょう。
結婚した場合、しなかった場合、両方の自分の人生の後悔を認めることで、“ないものねだり”の幻想が解けます。人生にはただ選ばなかったというだけで後悔を生じることがあります。それはたいていの場合、もっていないからほしいというだけの心理、ないものねだりの幻想なのです。
ないものねだりの幻想が消えると選んだ人生、選ばなかった人生、どちらにもあるいい部分が見えてきます。
一度後悔を認めた上で見えてくるいい部分は、無理やり“いいところさがし”をして、本当は後悔しているのにいい部分だけ見ようとした場合とはまったく違う景色。後悔を乗り越えた先にある人生の風景です。
向こうの人生は向こうの自分にまかせるという発想
人生は一つではなく、自分は一人ではありません。並行する世界として複数存在しています。
選ばなかったほうの人生は、それを選んだ自分にまかせましょう。
選ばなかった運命は消えてしまった未来ではありません。それはもう一人の自分が生きている世界です。
もう一つの世界はもう一人の自分にまかせて、反対にこちら側の世界はもう一人の自分からまかされたと思ってまっとうしましょう。
このような心構えで人生と向き合うと、どこかで二人の自分、二つの運命が交差する部分も出てきます。
大事なのは後悔しないことではなく後悔にとらわれないこと
大事なのは後悔しないことではなく後悔にとらわれないこと。
後悔は認めてしまえば心をむしばむような感情ではなくなります。受け入れた上で、自由な気持ちになれます。それが本当の意味で後悔していないといえる状態でしょう。
並行世界の自分に想いを馳せて、もう一人の自分と共感し合うことによってこの運命上の自分とまっすぐに向き合えるようになります。いまを生きることができるようになります。
そして現在に集中する生き方になったとき、後悔へのとらわれから解放されて人生を歩んでいる自分になっています。
後悔の否定から後悔の受容へ。昇華された後悔によって、選ばなかった道を後悔していない人生は実現されるのです。