なりたい自分がわからないときは

石の壁に向かってうな垂れる女子高生

「なりたい自分がわからない……」
そんな悩みをもつ人は少なくありません。
悩むわけですから何かになりたいとは思っているのでしょう。でも自分が何になりたいのかわからない。
それがどういう状態なのか、どうすればなりたい自分が見つかるのかを考えてみましょう。

「他人に説明できる自分」を用意しようとしている

「なりたい自分がない」というとき、その真意は「他人に説明するための自己像を用意できない」ということでしょう。
就職の面接でのアピール、SNSのプロフィール、学校での進路指導、所属しているグループでの立ち位置など、誰か他人に対して「あなたはどういう人なのか?」という説明を求められて困っている状態。それが「なりたい自分がわからない」なのではないでしょうか。

「説明用の自分」と本当になりたい自分は別のものだと考えればなりたい自分は見つかるはずです。すでに自分のなかにある願望に気づくでしょう。
本来の自分がもつ願望と、他人に説明するための自分は別にあっていい。自分発見の第一歩は“仮面”とその裏側が違ってもいいと気づくことです。

無理にアイデンティティを統合しようとしている

なりたい自分像に悩むのは、無理にアイデンティティを統合しようとしているせいだともいえます。
自分のなかにあるさまざまな興味や性質を一つの人格にまとめあげようとして自己像の構築に失敗しているのです。
アイデンティティは複数もっていていい。一人の人間にいろいろな面があるのは当然のことです。
自分は何人も存在している。そう考えてみましょう。何人もの自分がそれぞれ独自の人生を生きている。そういう想像ができると、なりたい自分が自然といくつも思い浮かぶようになります。
さまざまな自分像を無理やり一つの人格に統合する必要はないのです。いろいろな自分がいていい。
現実の人間はフィクションの登場人物のように“設定資料”があるわけではありません。キャラを立たせなければいけないアイドル活動でもありません。
自己探求は自己矛盾を許容していく過程です。

なりたい自分がない人はいない

なりたい自分がない人はいません。もしいるとしたらそれは「何者でもないものになりたい」という明確な理想像があるということになります。
なりたい自分がないという悩み自体、裏を返せば「なりたい自分がある自分になりたい」という願望です。
ほとんどの人は“他人説明用”の自分を用意しなければいけないという強迫観念と“キャラづくり”をしなければいけないという思い込みで混乱しているだけなのです。
このことに気づけばもともと自分のなかにある、なりたい自己像が浮かび上がってきます。

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